土堂小学校の卒業生、林芙美子さんの作品「風琴と魚の町」に出てくる場所をオリエンテーリングしました。
ポイント1 土堂小学校
ずいぶん石段の多い学校であった。父は、石段のとちゅうで何度も休んだ。学校の庭はさばくのように広かった。
ポイント2 ざくろのある家
庭には、ざくろの木が四、五本あった。そのざくろの木の下に、大きいかこいの浅い井戸があった。ざしきは六畳でおしいれもなければ床の間もない。これが私たち三人が落ち着いた、二階がりの部屋の風景である。
ポイント3 陸橋
下を汽車が走っていた。「これに乗って行きゃあ、東京までだまっとってもいけるんだぞ。」「東京から先は海か?」「はて、お父さんも行ったこたあなかよ。」
ポイント4 神武天皇の神社
小学校へ行くとちゅう、神武天皇をまつった神社があった。その神社のうらに陸橋があった。
ポイント5 芙美子像
芙美子さんの像です。像の下の言葉をみんなで読みましょう。
ポイント6 藤原たばこ店二階
芙美子さんがここの二階に住んでいた。石碑があるのでその文を読みます。
ポイント7 白壁の肥料倉庫
しらかべのならんだ肥料倉庫の前の広場には、針のように光った干魚(ほしこ)が山のようにもりあげてあった。その広場をかこんで、露天のうどん屋が、鳥のようにならんで、仲仕(なかせ)たちが立ったままつるつるうどんをすすっていた。
ポイント8 雁木
桟橋には船が着いたのか、長いさおの先にかごをつけた物売りが、白い汽船の船腹をかこんで声たかくさけんでいた。
ポイント9 清水医院
町中、波と風の音がして、なまぐさいにおいが流れていた。町角の医者の家をたたくと、車夫(しゃふ)はねぼけて、ていねいな物言いで、いんぎんにこしをかがめた。
ポイント10 子歌島(おかじま)
河のようにぬめぬめした海の向こうには、やわらかい島があった。島の上には白い花をとばした木がたくさん見えた。その木の下に牛のようなものがのろのろ歩いていた。
ポイント11 加茂・末広旅館
駅の前には、白くめだった大きい柳の木があった。柳の木の向こうに、すすでよごれた旅館が二、三げんならんでいる。
ポイント12 三軒長屋
夜になると、夜桜を見る人で、山の上はむらがったがのようににぎわった。私たちは駅に近い線路ぎわのはたごに落ち着いて、あせばんだままはらばった。
(風琴と魚の町より) |