トップページの校長のコラム内容を記録として掲載しています。

Weekly Letters

令和6年4月27日 みんな違って,みんないい。

 1年生が,入学して3週間が経過しました。今日は今年度最初の参観日,1年生も張り切って授業に参加していました。
 春を彩る花々も次第に入れ替わり,新緑の季節に変わってきました。正門前のチューリップも花を落としています。童謡の「チューリップ」の歌は,「咲いた咲いた」で始まり,最後に「どの花見てもきれいだな」という歌詞で終わります。このフレーズには,作詞家の近藤宮子さんの「いろんな色のチューリップがあるように世界にはいろいろな人たちがいます。どの色のチューリップも綺麗なようにどんな人にもきれいなところがあります。誰かの揚げ足を取ったり,あら探しをしたりするのではなく,お互いのきれいなところを認め合う世の中になれば生きていて楽しい人生が待っていると思います。」というメッセージが込められているそうです。
 チューリップは種から育てると花が咲くまでに5~6年かかり,花の色も咲いてみないとどの色になるか分かりません。しかし,球根で育てると短期間に花を咲かせることができ,しかも永遠に同じ色の花を咲かせることができます。チューリップは私達人間がもつ,効率を求め,同じ色彩の美しいものを並べたがるという性質を知っているのかは分かりませんが,その性質を利用して,生存戦略を図ってきました。
 しかし,学校はチューリップの戦略には乗らず「みんな違ってみんないい。」をめざします。時間はかかっても,様々な色が混じり合う学校でありたいと願っています。
 ※参考引用「植物に学ぶ生存戦略」NHK(2021年 2月11日放送)

令和6年4月19日 未来への意思表示

 「どの港に入るのか分からなければ,どの風も追い風にはならない(セネカ)」という言葉があります。この言葉は,逆説的に読めば,私達に「目標を定めれば,周囲の力を応援に変えることができる」と読み替えることができます。
 目標を立てるという行為は,特段目新しい行為ではありません。どの学校でも行っていることです。しかし,往々にして目標を立てた瞬間に忘却曲線の波に乗って忘れ去られ,以後単なる「飾り」として存在してしまうことも多々あります。
 そうした反省も踏まえて,今年度は,全校で始業式から1週間は先生が示した仮の学級目標で過ごし,新しいメンバーと1週間過ごした後に学級目標を定めるようにしました。
 目標を定めることが,未来の自分に影響を及ぼすことになるように,時期を見て,次の5点のポイントで評価をしてみることを検討しています。それは,(1)具体的かどうか(Specific),(2)計測することが可能か(Measurable),(3)達成可能なものか(Achievable),(4)自分達の実態に合っているか(Relevant),(5)常に意識に存在するか(Trackable)という5点です。英語の頭文字をとって「SMART」です。
 1年間共に過ごす学級をどう作るか,どう創造するか,未来への意思表示としての目標づくりを大切にしています。

令和6年4月12日 出会いは宝


 「私は日比崎小学校に転校してきて良かったです。クラスのみんなの名前はまだ,覚え切れていないけれど,昨日たくさん友達ができました。頑張ります。」
 これは,入学式の雨の降る朝,いつものように正門の近くで挨拶をしている時に,今年から日比崎小学校に転校してきた児童が,近くに寄ってきて話してくれた内容です。
 「出会いは宝」です。きっと児童玄関でクラス分けの一覧を見て,教室に入るまではドキドキしていたことでしょう。しかし,その不安な気持ちが和らぎ,期待感と喜びへ転換していったのは,きっとクラスの仲間との出会いの力によるものでしょう。
 「私には私の居場所がある。私のことを大切に思ってくれる人が近くにいる。」そういう感覚を学校に通う全ての児童が感じられるようにすることが,「学校」の存在意義の第一義です。
 雨の降る入学式でしたが,心の中は,爽やかな出会いの風が吹き込んできていました。

令和6年4月1日 令和6年度のスタートです。


 令和6年度は456名の子ども達をお預かりし,教育活動をスタート致します。学校教育目標である「夢や目標をもち,ともに高め合う子どもの育成」を掲げて教職員一同,協働的に学校教育活動を推進して参ります。
 本校の学校教育目標である「夢や目標をもつこと」という言葉には2つの要素が組み込まれています。一つ目は毎年6年生が実施している英語によるスピーチコンテストや,4年生が行っている「二分の一成人式」での決意表明に象徴されるように,自分の将来の姿や達成したい目標を描くことは人生に羅針盤を持つことに繋がります。二つ目は「ともに高め合う」ということです。「人は人の中で人になる」という言葉に象徴されるように多様な人と関わり,影響を受け,影響を与えられるかが,人格を創り上げていくためには大切だと考えています。オンラインではなく,学校という「実の場」に集まることの最大の意義はここにあると思います。
 しかし,綺麗で美しい言葉を飾るだけになっていないか,抽象的な言葉に溺れていないかを良く吟味し,「子どもの姿」で教育活動の成果を証明できるよう具体的な教育活動を展開できるように取り組みます。
 また,昨年度より,日比崎小中学校区は「コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)」として,連携して学校運営に取り組んでいます。コミュニティ・スクールは,学校と地域住民等が力を合わせて学校の運営に取り組むことが可能になる仕組みです。昨年度も,学校の教育活動に様々な領域で地域の方々が関わって頂きました。まさに「地域とともにある学校」へと転換しつつあります。中学校区が1中学校,1小学校であることを利点としえ捉え,9年間を見通した子どもの育ちを描いていきたいと思います。
 そのためにこれまで以上に密接に保護者の皆様,地域の皆様と協働して特色ある学校づくりを進めたいと思いますので,ご理解ご協力をよろしくお願いいたします。地域の宝でもあり,未来の宝でもある子どもたちをともに育てていきましょう。ご理解ご協力をよろしくお願い致します。
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